読書日記

  真似る、盗む

 『天才の読み方』(齋藤孝)より、
 真似る、盗む力というのも一つの技であって、やればやるほど上手くなっていきます。
 ですから、ピカソの場合、一人の画家の作品だけではなく、次々といろいろな画家の作品を剽窃していきます。それぞれの画家のスタイルを模倣しつつ吸収していって、その創作の秘密を自らの身体で盗み取っていくのです。
 自分のスタイルをつくるためには、実際に前の時代の偉大な画家が行った作業自体を自分もやってみる、つまり模倣することが一番の早道です。
 難しい技術や方法などは、自分で一からあみ出すよりも、まずは人や本などから学んだほうが基本的なことを早く習得できるでしょう。
 学ぶための一つの方法が「真似る」こと(「まなぶ」の語源)。
 いいもの(物・人・事)を真似ることで、いいやり方を取得できるといいのでしょう。それは「盗む」とも表現されます。

 人間には「先人の知恵を借りる」という素晴らしい能力があります。
 すでにある(多くの人の努力の結晶である)いろんないいものから多くのことを学べるといいのでしょう。
 それが何かを習得する一番の早道なのかもしれません。

 「真似る」も含めて「学ぶ」ことで習得したものを活かして、さらに自分なりの工夫を加えることで、自分のスタイルをつくっていけるといいのではないでしょうか。



   

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天才の読み方』齋藤孝

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