読書日記
人とつながる
『悩む力』(姜尚中)より、
単純に「死んではいけない」とは、私には言えません。
でも、「人とのつながり方を考えてほしい」とは言いたいのです。
つながるためにはどうしたらいいかを考えて、その意味を確信できたとき、たぶん、「生」も「死」も両方、同時に重みを取り戻すのではないかと思うのです。
自我というものは他者との関係の中でしか成立しない。すなわち、人とのつながりの中でしか、「私」というものはありえないのです。
人は一人では生きていけません。
それは現実的なことだけでなく、精神的なこともあるのではないでしょうか。
物質的にそれなりに恵まれていても、「死にたい」と思ってしまう人は、人とのつながりが(精神的に)足りないのかもしれません。
人とのつながりの中で精神的に満たされるものがあれば、特別な事情がない限り「死にたい」と思うことはないような気がします。
そこで人とつながる方法を考えることで、それが見つかるといいのでしょう。
たとえば、人づきあいを楽しむ、まわりの人を大切にする、誰かの役に立つことをする、やさしい人になる、人を幸せにする、・・・。
人に何かを求めるのではなく、自分が人に何かを与えることを考えられるといいのではないかと思います。
人とのつながりの中で、自分の価値や生きる価値を見つけられるといいのではないでしょうか。