読書日記

  なぜ働くのか

 『悩む力』(姜尚中)より、
 自分自身に「私はなぜ働いているのか」と問うてみることがあります。すると、いろいろ考えた挙げ句、他者からのアテンションを求めているから、という答えが返ってきます。お金は必要ですし、地位や名誉はいらないと言ったら嘘ですが、やはり、他者からのアテンションが欲しいのです。それによって、社会の中にいる自分を再確認できるし、自分はこれでいいのだという安心感が得られる。そして、自信にもつながっているような気がします。
 人間というのは、「自分が自分として生きるために働く」のです。「自分が社会の中で生きていていい」という実感を持つためには、やはり働くしかないのです。
 仕事の目的や価値はいろいろあると思います。
 「収入(お金)を得るため」「食べるため」「家族のため」「生きていくため」というようなものが基本にあることは間違いありませんが、それだけではつまらないでしょう。

 仕事をすることで社会とのつながりを感じられることが大きいのかもしれません。
 仕事によって人に認められる喜び、職場での人との関わり・つきあいの楽しさ、会社や役所などの組織に所属している安心感、・・・。また、仕事を通して誰かの役に立てる喜びは、自身の存在価値にもつながるものです。

 仕事の幸せを感じられると、なおいいでしょう。
 仕事の中での自分なりの楽しみ、日々の満足感や充実感、成し遂げた達成感、進歩・向上の喜び、自分の力を発揮できる幸せ、・・・。

 生きていくためには働かなくてはなりません。(中には、働かなくても生きていける人もいるのでしょうが、そういう人は幸せになりにくいような気がしてしまうのは私の偏見でしょうか)
 仕事の目的は人それぞれであっても、せっかく働くのなら、できるだけ楽しめるように工夫して、少しでも仕事の幸せを感じられるようになれたらいいのではないでしょうか。



   

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悩む力』姜尚中

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