読書日記
人生を映す鏡
PHP7月号の特集は『運がひらける言葉』。
野村萬斎さん(狂言師)は、
運がひらける言葉、あるいは人生を変えた名言、などと言われると、私にはなかなか思い当たりません。言葉とは、それ自体に価値や重みがあるのではなく、受け手によって捉えられ方の変わるものだと思うからです。
人生経験を積んだある人にとって深い意味を持つ言葉も、まだ幼く未熟な人ににはピンとこないかもしれない。でも、その未熟な人もいろいろな経験をして、ある時、「あの言葉はこういう意味だったのか!」とわかる可能性はあります。
経験や人生が反映されることで、はじめて意味が見出され、名言となって訴えかけてくる。
言葉とは、そういう「人生を映す鏡」のようなものではないでしょうか。
運がひらける言葉は、その人その人によって、またその時その時によって違うのだと思います。
その人の過去の経験によっても違うでしょうし、その時に抱えている問題によっても違うでしょうし、その時の心の状態によっても違うでしょう。
その前に大きいのは、その時にそういう言葉や考え方やヒントを求めているかどうかだと思います。何も課題をもたず、何かを改善しようと思わない人は、どんな言葉を見たり聞いたりしても、何も感じないのではないでしょうか。
また、人生経験とともに成長していける人は、深い言葉の意味がわかるようになるのでしょう。
実は、簡単な言葉の中に深い意味が含まれていることも多いような気がします。
そして、本当に意味が実感できるのは、自分の人生に活かせた経験によってだと思います。
頭でわかった(と思った)だけでは、まだ役に立っていないわけで、本当に正しいのかどうかはわかりません。
「運がひらける言葉」「人生を変えた名言」は、自分の人生で立証できることが大事なのではないでしょうか。
私の人生を変えた名言の一つは、『世に生を得るは事を成すにあり』(坂本竜馬)です。
私が最近実感している運がひらける言葉は、『継続は力なり』です。