読書日記

  井戸に落ちた天文学者

 『イソップ寓話集』より、
 或る天文学者が夕方いつも出かけて星を観察することを習慣としていました。ところで或る時ぶらぶらと郊外へやっていくうち、心をすっかり空にとられて、うっかり井戸へ落ち込みました。
 彼が泣いて叫んでいると、傍を通りかかった或る人がその嘆き声を聞いてやってきました。そしてその出来事を知ると、彼に向かって言いました。「おい、君、君は天のものを見ようとばかりして地上のものは見ないんだね。」
 上ばかり向いて歩いていると、何かにつまずいたり、足をくじいたり、穴に落ちたり、ガケから転落したりする危険性もあるのでしょう。
 歩く時には、ある程度は足下に気をつけたほうがいいのでしょう。(つい、夢中になってしまうのはしかたがない。また、そういうのも(微笑ましくて)いいのかもしれませんが)

 人生を歩む際にも、夢見てばかりいたり、先のことばかり考えていて、目の前の問題をおろそかにすると、つまずいてしまうことがあります。
 夢や目標を確認することは大切ですが、それは時折でよく、目の前のことを一つ一つ大切にすることが大事でしょう。それが将来のいい結果にもつながるはずです。

 ところで、ふだん空を見上げることはめったにない、という人もけっこういるのではないかと思います。
 時には、夜空の星や昼間の青空や白い雲などを眺めてみるのもいいのではないでしょうか。
 ただし、立ち止まって見上げたほうが良さそうです。そういう“心の余裕”が大切なのかもしれません。

 また、目の前(のこと)しか見ないで生きている人もいると思います。
 夢(幸せの目標)をもって生きられるようになれたらいいのではないでしょうか。



   

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