読書日記

  無茶に怒ってはいけません

 『イソップ寓話集』より、
 或る人が狐を自分に害を加えるものだと思って目の仇にしていましたが、彼を捕えたのでひどく懲らしめてやろうと思って、オリーブ油を浸した麻くずを彼の尻尾に結びつけて、それに火をつけました。すると或る神がその狐を、火をつけた人の畠(はたけ)の中へ導き入れました。ちょうど収穫の時節でした。彼は何も取り入れることができないので泣きながら狐の後を追っていきました。
 人は優しくなければなりません。そして無茶に怒ってはいけません。というのは怒りからしばしば大きな災が怒りっぽい人々には起ってくるからです。
 怒りは人の感情の中でも激しいものです。瞬間的に湧きあがり、一気にふくらみ、自分ではなかなかコントロールできなくなってしまいます。
 怒りの感情に駆られて、人に対して悪いことをしてしまったり、自分にとってよくないことをしてしまうこともあります。一時の怒りの爆発によって、大きい不幸を招いてしまうこともあります。

 怒りが湧いたら、最低限、その場で爆発させないことが肝心です。
 「この問題はあとで考えることにして、今は心を鎮めることを心がけよう」のように考えられたら、と思います。
 また、状況が許せば、「この場を離れよう」「少し頭を冷やしてこよう」などと考えられるといいでしょう。
 ある程度感情がおさまってそれで我慢できれば、それでいいのだと思います。「怒りを完全にコントロールできないといけない」のような完璧主義は不幸になる考え方です。
 「怒りは爆発させなければいい」「(努力すれば)ある程度はコントロールできる」などと考えられるといいでしょう。

 怒りが発生した場をやり過ごすことができたら、あとは怒りの感情をもち続けないように心がけることが大事です。
 「気分転換をしよう」「できるだけ考えないようにしよう」と心がけることができるようになれるといいでしょう。

 怒ってもいいことはないでしょう。
 自分の怒りが原因となって、人間関係を悪くしたり、八つ当たりをしてしまったり、悪いことをしてしまったり、自己嫌悪に陥ってしまったりすることにもなりかねません。強い怒りは暴言や暴力などの衝動を生み、長い怒りは憎しみにつながる危険性もあります。
 「怒ってもいいことはない」「怒りは毒」「怒りは自分を醜くする」などと考えられるといいでしょう。

 「自分(の健康と幸せ)のために、怒りをコントロールできるようになろう」と決意することから始めてみてはどうでしょうか。



   

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