読書日記
田舎の鼠と都会の鼠
『イソップ寓話集』より、(田舎の鼠が都会に出て、美味しい食べ物はあっても人間などを恐れる生活を経験し、都会の鼠に言いました)
「では さようなら お前さん、たらふくたんと 召し上れ。喜びと危険と それからたくさんの恐怖を 添えて。それらをば 楽しみなさるが よろしかろ。しかし 憐れな私は 大麦小麦を かじりつつ どなた様をも 疑わず心配なしに 暮らしましょう。」
この物語が明かすのは、質素に暮らして 不安なく 生きていく方が 恐怖の中に苦しんで 贅沢するより 優っているということだ。
安心は幸せの一つです。
ビクビクしたり不安を感じたりすることが多いと、幸せに暮らすことは難しいでしょう。
でも、どういう生活・人生を望むかは、人それぞれです。平穏無事な生活を望む人もいれば、波乱万丈な人生を望む人もいます。
いずれにしても、あまり極端なのは問題がありそうです。はじめから平穏無事だけを目指すのではつまらないでしょう。波乱万丈な生き方をするのには相当の胆力がいるでしょう。
また、慣れというものもあると思います。美味しい食べ物に慣れている人は、まずい食事には耐えられないでしょう。都会の危険がすごく怖ろしいのは慣れていないからであって、慣れればふつうのことになるのかもしれません。
今の日本では、そんなに危険なことはないと思います。リスクを恐れすぎて何もしないことで、幸せを得られないだけでなく、不幸を招くこともあるような気がします。
ある程度のリスク(失敗の危険性)は覚悟してチャレンジしたほうが、得られるものも多く、少なくともいろんな経験ができるはずです。人生と言う長い目で見ると、おもしろい人生・豊かな人生になるのではないでしょうか。
とは言え、幸せは人それぞれです。自分が幸せになれそうな生き方・人生を選択できるといいのでしょう(幸せを選ぶ・不幸を選ばない)。