読書日記

  自己目的的な自己

 『フロー体験 喜びの現象学』(M・チクセントミハイ)より、
 健康で、裕福で、強く、支配的立場にある人が、病気がちで、貧しく、弱く、抑圧される人よりも自分の意識の統制に関して有利であるということはない。
 生活を楽しむ人と生活に圧倒される人との差は、このような外発的要素と、それらに対する人の解釈――つまりその人が挑戦を脅威とみなすか、行為するチャンスとみるか――との結びつき方によって決まる。

 決して退屈せず、めったに不安に陥らず、現在進行しているものごとに関わりをもち、そしてフローしている人は必ずといっていいほど自己目的的な自己をもつ人といえよう。
 自己目的的な自己は、潜在的な恐れを楽しい挑戦に変換する。
 どのような環境や状況にあっても、よりよく生きようとするのなら、人それぞれに課題があるのだと思います。
 その課題をどのように見なし、どのように取り組むかが大事なのではないでしょうか。

 課題への挑戦を恐れるか、乗り越えるチャンスと考えるか。そして、その課題から逃げたりイヤイヤ取り組むか、自ら積極的に取り組むか。その行為を退屈や苦痛に感じるか、楽しめるか。
 すべてはその人しだいなのでしょう。

 フローな状態になりやすい自己目的的な自己をもつ人は、目の前のことに集中することで不安や恐れを忘れ、むしろ楽しめるのでしょう。
 そして、楽しいからやる、やりたいからやるという取り組み方ができるのだと思います。

 自己目的的な自己をもつ人は、何らかの結果の求めて生きるのではなく、(生きること自体が)楽しいから生きる、と思えるのかもしれません。

 人生の中で行ういろんなことを少しでも楽しんでやれるようになり、フローな状態で(幸せな気もちで)過ごせる時間を増やしていけたらいいのではないでしょうか。



   

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