読書日記

  内的な運命をかちとる

 『ヘッセの言葉』(前田敬作・岩橋保 訳編)より、
 避けることのできないものをはっきりした自覚をもって甘受し、幸福もわざわいも十分に味わいつくし、外的な運命とともに、より真実な、偶然のものではない内的な運命をかちとることこそ人生における重要事であるとすれば、わたしの人生は貧しいものでもなく、悪いものでもなかった。

 内的な運命は、わたし自身がつくりあげたものである。その甘さや苦さは、当然わたしのものであり、また、自分の内的な運命にたいする責任は、わたしひとりで引きうけるつもりである。(ゲルトルート)
 避けることのできないものは“運命”と考えていいのでしょう。
 生まれた環境、不幸な出来事、身体的な問題などの外的な運命は、どのようなものであっても甘んじて受け入れることが大事でしょう。

 私たちの人生でさらに大事なのは、自分にとっての真実であり、自分自身でかちとることができる内的な運命なのでしょう。
 自分は弱い、自分はダメだ、自分は運が悪い、自分は不幸だなどと考え、それが運命だと思い込んでしまうのは、自分で自分を不幸にしているのです。

 物事は考え方によって、自分にとっての価値が大きく変わります。
 悪い出来事や悪い現実に直面したとしても、「いいきっかけ」「いい経験」のように「いいように考える」ことができるようになれたらいいのではないでしょうか。

 考え方が変わればいろんなものが変わってくるでしょう。
 外的な運命と思われるようなことの中にも、変えられる運命もあるのではないかと思います。
 少なくとも、自分にとっての内的な運命を幸せ寄りに変えることはできるはずです。それが自分の心の中の幸不幸を大きく左右するのだと思います。



   

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