生きることを楽器の演奏にたとえるならば、これを上手に弾くことが人生の目標というものであり、自分が出す妙なる調べにみずから酔うことができるなら、それが幸福というものであるにちがいない。 このとき、真に問題であるのは自分のウデ(演奏の技術)であって、楽器のよしあしは二義的なそれである。 人間関係をふくめて、境遇とは楽器に相当するものであろう。