読書日記

  「かもしれない」悩み

 『「悩み上手」「悩み下手」』(大野裕)より、
 私たちには、何か現実に起きてほしくないことがあると、「それが起きるかもしれない」と考える傾向があります。
 なぜこんなことを考えてしまうのかというと、こうして最悪に備える準備をしようとするのです。

 このようなときには、まず「かもしれない」悩みにどれだけ具体性があるかを考えてみるといいでしょう。
 「かもしれない」不安は、最悪に備える心のトレーニングをしなさいと教えてくれていると考えて、客観的に事態を眺めて、建設的な悩みの解決方法を考えるようにするのです。
 「××になるかもしれない」「××たらどうしよう」などと考え、不安な気もちになることがあると思います。
 「不安は注意信号」と考えて備えることができればいいのですが、心配し過ぎて不安な気もちが強くなってしまったり、今を楽しめなくなってしまうのはよくないでしょう。

 「××になるかもしれない」とふと思った時、「本当?(絶対?)」と自問してみれば、「本当に絶対とは言えない」「そうならないかもしれない」と思え、ラクになれることがあると思います。

 実際には、悪い事態になることもあればならないこともあるのだと思います。
 悪い事態を怖れて不安な気もちになった時、「その確率はどのくらいか?」を一度考えてみてください。
 そうすれば、「そんなことはめったに起こらない」「起こる確率は低い」などと考えられることも多いと思います。
 そうだとしたら、あまり怖れないほうがいいでしょう。そうならない確率のほうが高いのです。

 不安になるような悪い事態は、実際にはそんなに起こらないのだと思います。(特に、悲観的な考え方をしやすい人の場合は)
 また、「そうなったら、その時はその時」と悪い事態を受け入れることができるいいでしょう。
 さらに、「そうなった時には、こうしよう」のように先の先を考えられると、なおいいでしょう。

 確率ははっきりわからなくても、過去の経験から「この前は大丈夫だったから、今度もきっと大丈夫」「今までそうなったことは(ほとんど)ないじゃないか」などと考えられれば、不安な気もちを小さくできるでしょう。

 過去に何回か悪い事態になった経験があることは、今までに全部で何回ぐらいやって何回そうなったかを計算すれば、その確率がわかるはずです。
 また、過去の経験を考え直してみると「なるようになった」と思え、今度も「なるようになる」と考えられるのではないでしょうか。

 はじめてのことに不安を感じることもあるでしょう。そのことははじめてでも、過去に“はじめてのこと”をした経験はたくさんあるはずです。
 そういう場合に実際どうなったことが多かったかを考えてみれば、今回の参考にもなるのではないでしょうか。

 不安な気もちが強くなった時には、悪い事態になる確率と過去の経験に照らして成り行きを考えてみることで、心を落ちつかせることができるようになれたらいいのではないでしょうか。
 先のことをある程度考えたのなら、それ以上悩まないように、「心配はほどほどにしよう」「それよりも何かいいことをしよう」などと切り替えられるようになれるといいでしょう。



   

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「悩み上手」「悩み下手」』大野裕

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