読書日記

  楽しめるような想像

 『ほんとうの心の力』(中村天風)より、
 人間は、暇なときがあるんだから、たとえ二分でも三分でも、そういうときは静かに、気が散らないように目をつぶりながら、自分の楽しめるような、喜ぶような想像を心の銀幕に描くということが必要なんだ。

 たとえよしんば、現実どんな病にかかっていようと、どんな悪い運命にいようと、心がそれから離れているときは、それがあるもなきに等しいということを、考えなきゃだめなんだよ。
 人の心は、一度に一つのことしか考えられません。
 そして感情は、その時に考えているないように左右されます。
 楽しめるような想像を心に描けば楽しい気もちになれ、喜ぶような想像を心にうまく描けばうれしい気もちになれるのです。
 このことは、悩みや問題がある時でも同様です。
 悩みや問題があっても、楽しいことを想像すれば楽しい気もちになれるのです。

 誰でも、一日の中に楽しめるような想像をする時間はとることはできるはずです。
 たとえば、通勤・通学・買い物などの途中に歩いている時、電車に乗っている時、休憩時間、お風呂に浸かっている時、フトンに入って眠る前、・・・。
 生活の中で2・3分なら、そういう時間をつくることはできるでしょう。
 楽しいことを想い出す、夢の実現をイメージする、好きな人のことを考える、心地好い景色や音楽を心の中にイメージする、自分にとっての幸せな情景を想い描く、・・・。
 自分が心地好い気もち・幸せな気もちになれることならなんでもいいのです。

 そのような時間をもてることは、いい気分転換や、心身の癒しや活力につながるでしょう。
 それが、問題解決の力にも、幸せに暮らす力にもなるでしょう。
 むしろ、楽しめるような想像・幸せを感じる時間をもつことは、悩みや問題がある時にこそ、実践するようにしたほうがいいと思います。

 悩みや問題が現実としてあっても、心がとらわれなければ、不幸な気もちから解放され、考えるないようによっては幸せな気もちにもなれるのです。
 人間には、そういう心の力があるのです。
 自分の心の力を充分に発揮できるように、自分を育てていけたらいいのではないでしょうか。



   

次の日の日記

ほんとうの心の力』中村天風

ホームページ