読書日記

  逆境を引き金にする

 『ときどき思い出したい大事なこと』(ディック・J・ライダー)より
 大半の人々にとって、生活の質がカクッと落ちてしまうような危機や逆境が何度かは訪れる。
 もしそのときうまく対処できれば、目的が本当に見つかり、より強いものになり、もっと明確になってくる。

 愛する人の死、離婚、別居、大病、身体障害、失業、遠くへの引っ越し、退職、大きな財政的な損益などがあると、それが引き金となって、自分の人生や仕事を改めて見直すことになる。
 “人生の目的”というようなものは、そう簡単には見つからない人も多いでしょう。
 それは、今の自分のまわりにないものを探すからかもしれません。
 と言っても、ただ身のまわりを見渡してみても、“人生の目的”を見つけられる人はまれでしょう。

 何かを失った時に、自分にとって本当に大切なものに気づいた経験をした人は多い、と思います。
 強い喪失感から非活動的な状態になると、いろんなことを考える(時間が増える)でしょう。そこで失ったものの大きさに気づけるのではないでしょうか。

 失って取り返しのつかないものもあります。
 でも中には、今からでも取り返しのつく大切なものもあるでしょう。
 それ自体は無理でも、他にまだ残っている大切なものがあるのではないでしょうか。
 また、失ったものをヒントに今後手に入れたい大切なものがわかるかもしれません。

 自分にとって本当に大切なものに気づくことができれば、それを大切にして生きることが自分の“人生の目的”の一つになり得るのではないでしょうか。

 と言っても、大きな危機や逆境はそうは起こらないという(ある意味、幸せな)人が多いと思います。
 そういう人でも、そういう自分の状況を想像してみることで、大切なものに気づけるかもしれません。
 たとえば、愛する人・大切な人との別れ、今の職を失う、財産を失う、死を覚悟するような病気、・・・。

 自分が実際に逆境に陥った時に、このような考え方をするのは難しいことですが、「不幸を幸せに変えよう」という気もちになれれば、多少時間がかかってもきっと立ち直ることができるでしょう。

 逆境(の想像)を引き金に、自分の人生や仕事を見直すことで、自分の“人生の目的”を明確にすることができたらいいのではないでしょうか。



   

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目的の力』ディック・ライダー

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