しあわせ日記

8月16日(水) ソコもあるなあ

 PHP9月号の特集は「夫婦――だから大切なこと」。
 田辺聖子さん(作家)は、
 男は女の意見に反対する強さがない。
 しかし賛成もしたくない。よって、しぶしぶ口から出る言葉は、
 〈ソコもあるなあ〉
 とおずおず譲歩せざるを得ぬ。
 “ソコもあるなあ”という、一見譲歩にみえる同意には、
 〈満腔の不満があるのやが、まァ一応は〉
 なんていった。

 これも夫婦という外交関係の調整案として、妙味があるかもしれない。
 相手の意見が自分とは違っていても、「そういう意見もある」と考えられるといいのでしょう。
 実際に、そういう意見の人が(目の前に)いるのですから、“そういう意見もある”というのは間違いありません。
 「そういう意見もあるなあ」というのは、同意しているわけではありません。
 でも、議論(から発するかもしれない言い争い)を未然に防ぐために、譲歩しているのでしょう。

 人には人の意見があり、自分には自分の意見がある。
 「違っていていい」のではないでしょうか。
 意見を合わせる必要が本当にある場合は、そんなにはないような気がします。

 違いを受け入れられるようになるためには、「この人にはこの人の□□(考え/意見/価値観/生き方)がある」のような相手を尊重する考え方と、「自分の□□(考え/意見/価値観/生き方)はこれでいい」のような自分を尊重する考え方ができるようになることが大切だと思います。

 いつも自分の意見を押し通そうとするのではなく、「引く時は引く」ことができるようになれたらいいのではないでしょうか。
 自分の意見は内心尊重しつつも、相手の意見を尊重することで、相手の顔を立ててあげられるというのも“大人”の対応だと思います。

 夫婦の関係や家庭の平和が大事だと思うのなら、「まず自分から」譲歩する術を身につけることを考えてみてはどうでしょうか。



   

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