しあわせ日記
12月3日(土) 家族の愛
ラッセルの「幸福論」(岩波文庫)第2部「幸福をもたらすもの」
第13章「家族」より
両親の子供に対する愛情と、子供の両親に対する愛情は、幸福の最大の源の一つとなりうるのに、実のところ、現代では、親子の関係は十のうち九までは、両者にとって不幸の源になっている。
親子は、もっとも愛情をもって接しやすい存在でしょう。
愛のある親子関係が大きな幸せであることは間違いないでしょう。
でも、親子関係が悪くなり、それが不幸の源になることがあるのも事実です。
親子でも、幸せになるための愛は相手を幸せにすることだと思います。
幼い子供の場合には、存在そのものが親を幸せにするので、愛の行為は一方的でいいのだと思います。
そういう意味では、親になることは、長年に渡って愛せる対象を得ることであり、人生で最大級の幸せとも考えられるのでしょう。
親になることは、心理的には、人生が提供する最大のかつ最も長続きする幸福を与えうるものであることは明らかだと思われる。
ただし、子供が精神的に自立するに従って、愛し方を変えたほうがいいでしょう。
自立した人間は、それぞれに自分の幸せがあるからです。
子供には、自分なりの幸せの価値観があるのです。親の価値観を押しつけても、幸せになれるとは限らないのです。
また、自分の力で幸せになることに大きな価値があるのだと思います。
わが子と幸福な関係を持ちたいとか、わが子に幸福な生活を与えたいと願っているおとなは、親であることに深く思いをいたさなければならないし、思いいたしたあとは、賢明に行動しなければならない。
子供の本当の幸せを考えるのなら、甘やかすのはよくないでしょう。
子供の心を育てるサポートができたら、と思います。
また、親自身が幸せに暮らすいいお手本を見せられたら、なおいいでしょう。
子供を自立させるためには、親離れさせること、つまりは、親が子離れすることも必要でしょう。
子供が自力で幸せになる努力をするのを見守り、本当に困った時には全力で助ける、というスタンスでいれたらいいのではないでしょうか。
子供の第一の親孝行は、自分が幸せになることだと思います。
その幸せを親にも分けてあげられるようになれたら、なおいいでしょう。
愛する人を幸せにすることは、自分が幸せになる有力な方法の一つです。
時には、愛について、子育てについて、じっくり考えてみるのもいいと思います。
人を愛する幸せを感じられるようになれたら、幸せに暮らせるようになれるでしょう。