幸福論を読む ラッセルの「幸福論」(1)はじめに

 私が読んだ「幸福論」の中でいちばん好きなのは、ラッセルの「幸福論」だ。この本は2部構成になっている。第1部「不幸の原因」と第2部「幸福をもたらすもの」。
 幸福に関する本には、「不幸」について書かれた本が多い。中には「不幸」にならないためには「〜をしてはいけない」で終わってしまうものもある。どうしたらいいかを書いてあっても、精神論や方針に終わってしまう場合がままある。そんな中、ラッセルの「幸福論」は不幸論にとどまらず、幸せになるために大切なことが書いてある。

 何回かに分けてラッセルの「幸福論」を読み直してみようと思う。解説をするつもりはない。「幸せ」についてのヒントを探し、私なりに考えたことを書こうと思う。本自体に興味のある方は「幸福論」(ラッセル/訳・安藤貞雄/岩波文庫)をお読みください。

 私は本を買う時には当然目次を見る。目次の内容がいいと、それだけで買ってしまうことがある。時には期待はずれもある。中身はたいしたことないが、見出しのつけ方がうまい人がいる。そんな時には、目次を楽しむ。目次から内容を想像したり、自分だったらどんなことを書くだろうか考えてみる。
 ラッセルの「幸福論」の目次は、シンプルでわかりやすい。

第1部 不幸の原因      第2部 幸福をもたらすもの
  第1章 何が人びとを不幸にするのか
  第2章 バイロン風の不幸
  第3章 競争
  第4章 退屈と興奮
  第5章 疲れ
  第6章 ねたみ
  第7章 罪の意識
  第8章 被害妄想
  第9章 世評に対するおびえ
第10章 幸福はそれでも可能か
第11章 熱意
第12章 愛情
第13章 家族
第14章 仕事
第15章 私心のない興味
第16章 努力とあきらめ
第17章 幸福な人

 期待できそうな感じがしませんか?
 たぶん、あなたの期待どおりには書けないと思いますが、期待はずれにならないように書きたいと思います。
 では、次回をお楽しみに。