「幸せについて」
その45 幸せはどこに?

 幸せは、どこにあるのでしょうか?

 幸せとは、「今、ここで(もしくは、心の中に)、自分が、幸福感を、感じるもの」だと思います。
 確かなのは、今の幸せだけです。それは、今自分の手が届く幸せです。
 人からどう思われるかではなく、自分が幸福感を実感できることが肝心です。
 もちろん、将来の幸せもありますが、それを感じる時には「今」になっているわけです。

 五木寛之さんが『生きるヒント3』(角川文庫)の中で、「ちょっとしたストレスの発散方法はいろいろありそうですが、個人の悩みを一挙に解決してくれる万能薬など、この世にないことがはっきりしてきます」と書かれています。
 同様に、幸せになる特効薬はないと思います。
 一つの幸せだけでは、ずっと幸せに暮らすことはできないでしょう。
 すごい幸福感がいつまでも続くなんてこともないでしょう。
 どのような幸せを手に入れても、不幸がなくなるわけでもありません。少なくとも、人には別れがあります。人は老いるし、病気にもなります。

「悟り」というものがあるとしても、すべてに通じる悟りはないと思います。
 もっとも、「生きることには苦しみがつきもの」「人生ラクありゃ、苦もあるさ」のような悟りだとすれば、話は別ですが。
 一つの悟りだけで、ずっと幸せに暮らせるようになるとは思えません。

「幸せの青い鳥は、幸せに暮らす習慣」ではないか、と私は考えています。
 幸せに暮らす習慣とは、生活の中で幸せを感じる習慣、自分の気分をよく保つ習慣、幸せになる方法を考え・実践する習慣などです。
 考え方もほとんどは習慣によるものだと思います。幸せになる考え方を心がける習慣も、幸せに暮らす習慣の一つです。
 夢をもって生きることや、人を幸せにすることも、幸せに暮らす習慣にできます。

 習慣をつくるためには、最初は意識してやる必要があります。
 何でも、はじめのうちはなかなかうまくはできないものですが、工夫をしながら続ければ、少しずつうまくできるようになります。慣れてくればだんだんラクにできるようになるでしょう。それが習慣になれば意識しなくても自然にできるようになります。
 習慣は意識してつくることができるものだと思います。

「幸せの青い鳥は、自分の心の中に育てていくもの」ではないでしょうか。
 自分の心の中の青い鳥は、飛び去ってしまうことはありません。

   

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