「幸せについて」
その39 不幸を幸せに変える

 生きていく中では、大きい不幸な出来事も起こります。
 愛する人との別れ、失敗や挫折、天災や事故、病気やケガ、・・・。
 一時的に不幸になってしまうのはしかたがないでしょう。
 時が経って忘れてしまえるものならそれでいいのですが、いつまでも忘れられずに不幸に陥ってしまうようでは、自分のためによくないでしょう。

 その19「非日常的な不幸」では、不幸な出来事に遭ってしまった時には、「まず受け入れること。そして、希望をもつことが大切」と書きました。それが立ち直る入り口だと思うのです。
 忘れられない事を「忘れよう」と思うのは無理があります。「忘れよう、忘れよう」と自分に言い聞かすのは、逆効果です。
 忘れられない不幸は、自分の中で幸せに変えることができればいいのです。

 不幸を幸せに変えるいちばんの方法は、「いい経験」にすることです。
 その事を想い出してしまっても、「いい経験だった」と考えることで不幸に陥らないですむようになれます。
 不幸な出来事からも何かを学ぶことができれば、「いい経験」と考えることができます。少なくとも、「(人生/世の中には)こういうこともある」ということは学べるのではないでしょうか。

 と言っても、大きい不幸をすぐに「いい経験」と思うことは難しいかもしれません。「いい経験にしよう」という意識をもち続ければ、きっといつか「いい経験」と思える時が来るでしょう。
 最終的には、幸せに暮らせるようになれば、「今の(幸せな)自分があるのは、過去のすべての経験があったから」と考えられるでしょう。

 不幸を幸せに変えるもう一つの方法は、「いいきっかけ」にすることです。
 挫折も、人生の大事なことを考え直して、生き方を変えるきっかけになったりします。
 別れは、次の素晴らしい出会いのチャンスかもしれません。恋愛以外の何かいいことを始めるいい機会かもしれません。
 不幸な経験は、何が幸せかを知り、幸せを大切にできるようになる契機になることがあります。

 もっと小さいことでも、「いいきっかけ」にできることがあります。
 自分のイヤな気もちや否定的な考えに気づいた時には、「こんなことを考えるよりも、何かいいことを始めよう」と考えれば、「いい(ことを始める)きっかけ」にできます。それがイヤなことを早く忘れ、悪い気分を転換するためのいい方法でもあるのです。

 生きていく中では悪いこともいろいろあります。でも人生という長い目で見れば、いい経験/いいきっかけ/いいチャンス/成功への道の途中(の一場面)/神様が与えてくれた試練/自分を育てる材料などと考えられるのではないでしょうか。
「不幸を幸せに変えよう」と思う、心の姿勢が大切なのだと思います。

   

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