「幸せについて」
その32 人を幸せにするためには

 人を幸せにすることは、愛の心をもっているだけではできません。なんらかの愛の行為が必要です。
 人と接する際に、自然に愛の行為を実践できる人もいますが、そういう習慣がない人は意識しなければできません。また、相手を幸せにする方法をいちいち考えなければできません。
 人を幸せにする方法は、どのように考えれば見つかるのでしょうか?

 第一に重要なのは、「相手本位」に考えるということです。そのためには、相手の身になって考えることと、相手を知ることが大事です。相手に関心と興味をもち、相手をよく見て、相手の話をよく聞き、相手が望むことや喜ぶことや幸せになれることを想像することです。

 ただし、愛の行為は、自分ができることでなければなりません。自分にはできないこともありますが、できることもたくさんあるのです。
 できるだけ自分を活かしたほうが力を発揮できるでしょう。自分の得意なこと、自分の長所を活かせること、自分に向いていることなどを考えてみるのも一つの考え方です。

 愛の行為を考える際に、人がしてほしいと思うことをヒントに考えてみるのも一つの方法です。人がしてほしいと思うことはたくさんあります。
 たとえば、喜ばせてほしい、楽しませてほしい、感動させてほしい。礼儀正しく扱ってほしい、ありがとうと言ってほしい。微笑んでほしい、話しかけてほしい、誘ってほしい。話を聞いてほしい、わかってほしい、信じてほしい。一緒にいてほしい、一緒に喜んでほしい、一緒に悲しんでほしい。心のふれあいがほしい、身体のふれあいがほしい、思いやりがほしい。認めてほしい、期待してほしい、ほめてほしい。助けてほしい、応援してほしい、心を支えてほしい。好かれたい、愛されたい、幸せにしてほしい、・・・。
 また、自分がしてほしいこと、人からしてもらったらうれしいことも、愛の行為を考えるヒントになります。

 自分の得意な愛の行為(やそのパターン)を一つ一つ増やしていけばいいのだと思います。愛することが上手な人は、ワンパターンか数パターンの得意技をもっているような気がします。その応用がいろいろできるのが愛の達人なのかもしれません。
 また、愛の心(やさしい気もちや思いやりなど)をもって人と接することができるようになれば、自然に人を幸せにできるようになれるでしょう。

 愛の伝え方、人を幸せにするやり方は、人それぞれだと思います。自分を活かし、自分らしい愛の行為を実践できるようになることが大切なのではないかと思います。

   

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