「幸せについて」
その16 Have/Do/Be(−Think)−Feel

 英語のHave/Do/Beの幸せがあると言われます。
 Haveの幸せは、何かを持っている幸せ、何かを手に入れる幸せなど。
 Doの幸せは、何かをすることで感じられる幸せ、何かができる幸せなど。
 Beの幸せは、自分が(ある状態で)いる幸せ、誰かが存在する幸せなど。

 ショーペンハウエルは、『幸福について』(橋本文夫訳/新潮文庫)の中で、人間の三つの根本規定として、1.人のあり方 2.人の有するもの 3.人の印象の与え方を挙げています。
 人のあり方は「Be」、人の有するものは「Have」です。もう一つの、人の印象の与え方は、人からどう思われるかや人からの評価のことです。誰でも内心、人からよく見られたいと願っているし、人や社会から評価されることを望んでおり、それを得ることも幸せの一種です。

 どういう幸せがいいとか優れているとか言うつもりはありません。
 いろんな幸せがたくさんある、と考えればいいのでしょう。
 たくさんある幸せの中から、その時々に自分が選んで幸せを感じられればいいのです。

 選ぶのは自由ですが、一つの幸せにとらわれて不幸になってしまうようでは問題です。
 物や金に執着しすぎたり、夢の実現や結果にこだわりすぎたり、人の評価を気にしすぎたりして、今の幸せを感じられなくなってしまうような場合です。

 どんな幸せを選択するにしても、結果として幸福感(Feel)につながらなければ価値がありません。
 せっかく何かを持っていても、やりたいことがやれても、いい状況にあっても、人から評価されても、それを自分が幸せと思える時がなければ、幸せとしては無いのと変わらないのではないでしょうか。

 何かを手に入れた時や、たまに好きなことをしている時や、状況が好転した時や、人から評価を受けた時には、幸せを感じられることも多いでしょう。
 でも、すでに持っているものや、習慣的にやっていることや、変わらない状況や、定着した評価について、幸せを感じることは(習慣がなければ)無意識にはできません。

 自分の幸せを認識した上で、「よかった」「ありがたい」「幸せだなぁ」などと考えることで、幸福感が得られるのです。
 そこに、考える(Think)という過程がいるのです。

 自分の幸せを確認する/感謝する/数えるというような考えをする習慣がある人は、日々幸せをたくさん感じられるのです。そういう習慣がない人は、たまにしか幸せは感じられないでしょう。
 習慣になれば自然にできますが、習慣を築くまでには意識して心がけるしかありません。それなりの時間と努力が必要なのです。

 幸せを感じられる考えをする習慣をつくることが、幸せに暮らせるようになるためには大事なのです。

   

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