「幸せについて」
その15 今を大切に

 幸せに暮らせるようになるためには、今を大切にすることが大事です。
 本当に確かなのは現在の幸せです。幸せを感じている今は間違いなく幸せなのです。

「将来のため」と、今を生きている人がたくさんいます。
 それは決して悪いことではありません。でも、そのために今の生活の中でぜんぜん幸せを感じられないとしたら、問題があるのではないでしょうか。

 望んでいる将来の幸せは確かなものではありません。
 もしそれが得られなかったとしたら、その将来だけでなく、それまでの時間の幸せも失うことになってしまいます。
 もしそれを得られたとしても、そのためにその前の長い時間を犠牲にしてしまっていいのでしょうか。

 今だけの幸せを考えて生きよう、と言っているのではありません。(そういう生き方を選ぶ人がいてもいいのですが)
 今やらなくてはならないこと、将来のためにやることがあるのは当然です。それらをやる際に、イヤイヤ・我慢してやるのと、少しでも愉しめるように工夫しながらやるのとでは、どちらがいいでしょうか。
 また、いい精神状態を維持し、いい気分転換をすることが、将来のためにやることをよりよく続けるためにも、役に立つはずです。そのためにも、今を愉しむ時間が必要なのだと思います。

「将来」のために「今」を犠牲にしている人は、その「将来」になってもそのまた「将来」のためにその「今」を犠牲にしてしまうのではないでしょうか。「今」を大切にできるようになれれば、「将来」もその「今」を大切にできます。「今を大切にできるようになる」というのは「将来」のためでもあるのです。

 過去の不幸な出来事を想い出して今を幸せに過ごせないのも、将来の不幸を恐れて今を幸せに過ごせないのも、今を大切にしていません。
 現在問題を抱えているからと言って、一日中悩み苦しみ、幸せを感じる時間をもてないのも、今を大切にしていません。

 今を大切にするためには、今を幸せに過ごそうと意識できるかどうか、今を愉しむ工夫をする習慣がもてるかどうかが、大きな課題です。その前に、「幸せに暮らせるようになりたい」と明確に意識することが必要なのかもしれません。

   

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