「幸せについて」
その14 絶対的な幸せ
「絶対的な幸せ」と言うと、「本当の幸せ」や「不変の幸せ」のようなものをイメージする人がいます。そして、そういうものが果たしてあるのかどうかを考えて、よくわからなくなってしまう人もいます。
私は、自分が幸せと思えることはすべて、自分にとっては「本当の幸せ」だと考えています。
「不変の幸せ」があるとするなら、誰もがもっていて失われることがないという意味で、「生きている幸せ」と「(幸せを)考えられる幸せ」を挙げたいと思います。世の中には、「生きているだけで幸せ」「生きてるだけで丸儲け」などと考えられる人が実際にいます。
「絶対的な幸せ」を自分の心に求める人もいます。
「強い心」や「不動心」を養うことが幸せになる方法だと考える人もいます。
私が考える「幸せになる能力」も心の力です。でも、そんなに強くなくてもいいと思うのです。「時には不幸になってもしかたがない。素早く立ち直れればいい。それをいい経験にできればおないい」のような、しなやかな心の強さをもてたら、と思うのです。
前項の「相対的な幸せ」に書いたことから考えると、「絶対的な幸せ」とは「人と比較しない」「人(の評価など)によらない」という、「自分の基準に従った幸せ」と考えることもできます。
ここでの基準とは、「幸福感」でしょう。つまり、自分が幸せだと感じていれば、人がどうであろうと関係なく、自分は幸せだと言い切れることだと思います。
また、自分の過去と比較しない、今の幸せだけを考えられるのも、「絶対的な幸せ」と言えるかもしれません。
「あなたは幸せですか?」と聞くと、「今がいちばん幸せ」と答える人がいます。いつ聞いても、同じように「今がいちばん幸せ」と答える人もいます。
この、「今がいちばん幸せ」といつでも言えるのが、いちばん幸せなのではないかと思うのです。
現在の日本の高齢者の方の中には、日本経済の発展と共に、生活環境が少しずつ豊かになり、それだけ幸せに暮らせるようになれた人も多いと思います。そういう人たちは、いつでも「今がいちばん幸せ」と思えても不思議ではありません。
では、これからの日本に生きる人は、いつでも「今がいちばん幸せ」とは言えないのでしょうか?
私は言えると思います。
私は、「自分を育て、幸せになる能力を向上させていけば、少しずつ幸せに(暮らせるように)なれる」と信じています。
ということは、常に「(今までで)今がいちばん幸せ」と言えるのです。
私は、実際に「今がいちばん幸せ」だと思っています。またこれからも、少しずつ幸せになっていけると信じられます。
ですから、この生き方がいちばんいい幸せになる方法だと思えるのです。
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