「穏やかな形の被害妄想は、不幸の原因になることが多い」
とラッセルの『幸福論』にありました。
「私は悪くないのに、ひどいことを言われた」
「私は何もしていないのに、意地悪された」
「私はこんなに思っているのに、冷たくされた」
「私が○○してあげたのに、お礼のひと言もない」
「私はこんなにやっているのに、ぜんぜん評価してくれない」
「私がこんなにしてあげているのに、やさしくしてくれない」・・・。
このようなことを思うことが多い人は、生きるのがつらいでしょう。
被害妄想のメリットは何でしょうか?
一つは、自分は(可哀相な)被害者・犠牲者と考え、
自分が不幸なのは人のせい(自分のせいじゃない)
と考えたいのかもしれません。
もう一つは、
「人に自分の話を聞いてほしい」「自分に関心をもってほしい」
「同情してほしい」「人から注目されたい」というような
(隠れた)思いがあるからかもしれません。
誰でも被害妄想的な考えをしてしまうことはあると思います。
また、実際にそういう現実もあるでしょう。
世の中には、無礼な人も、無神経な人も、
意地悪な人も、やさしくない人もたくさんいます。
でも、そんなにひどい人はそれほど多くはいないのではないでしょうか。
もし、自分のまわりの人の多くがそうだと思われるのなら、
まず自分の考えを疑ってみたほうがいいのかもしれません。
自分が被害妄想的な考えをしてつらい気もちなった時には、
「本当?(絶対?)」と自問できるようになれるといいでしょう。
「絶対に本当とは言えない」「そうじゃないかもしれない」
と考えられるだけでも、少しは心が落ちつくでしょう。
「こんな(不確かな)ことで、
一人で勝手につらい思いをするのはバカらしいんじゃないか」
「こんなことを考えるより、もっと自分にとっていいことを考えよう」
などと、切り替えられるようになれると、なおいいでしょう。
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