私たちも、もし、好いものだけを見分ける眼の訓練を、自分のものにしたかったら、好いものだけしか、観ないようにすることである。好いものの判断基準は、ものによって違うのだと思います。
好いものだけ、と言っても、それは値段の高いもののことではない。値段は安くても、形が単純で、色が目立たないもののことである。
いつも、こんなものだけを、自分の身の廻りに置いて、そうでないものは、見ないようにすることである。
好いものだけを見馴れていると、そうでないものは眼につかないようになる。これが趣味のよくなるコツである。
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