読書日記

  自己実現人は自立的

 『完全なる人間』(アブラハム・H・マスロー)より、
 欠乏欲求に動機づけられている人は、環境をおそれねばならない。環境がかれを陥れたり、失望させる可能性が、つねにあるからである。

 これと対照的に、基本的欲求のみたされたと考えられる自己実現人においては、依存したり、恩恵を受けたりすることが少なく、自立的、自己指向的である。
 欠乏動機が強い人は、何かしら欲望が強いのではないかと思います。
 そういう人は、環境に不平不満をもちやすいだけでなく、環境(の変化)におそれや不安を感じることも多いのではないでしょうか。

 基本的欲求がある程度みたされ、成長動機が強い人は、現在の環境を受け容れ、人や環境に依存することなく、自己実現を目指すことができるのでしょう。

 欠乏動機の人と成長動機の人の違いは、自分の幸不幸は「環境による」(不幸は環境のせい、幸せは環境しだい)と考えるか、「自分自身による」(不幸も幸せも自分しだい)と考えるかにも表れるのではないでしょうか。

 欠乏動機の人の原点は「今(自分)は不幸」という思いにあり、成長動機の人の原点は「今(自分)は(それなりに)幸せ」という思いにあるのではないかと思います。
 「今は幸せ。でももうすこし幸せになれたらいいな。ではどうしたら?」という心の姿勢で生きられるようになることが、自己実現を目指す成長動機の生き方であり、少しずつ幸せになっていける生き方だと思います。



   

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