読書日記
浮上の力を信じて
PHP1月号の特集は『元気になれる!こころの励まし方』。
落合恵子さん(作家)は、
私もいろんなことで落ち込みます。でも私は、そこで急いで浮上しようとはしない。落ち込むところまで落ち込んでみる。とにかく崖っぷちまで行ってみる。
人間はどん底まで落ち込むと、必ず浮上しようとする力がわいてくるもの。その力を信じているからです。
大切なことは、その崖っぷちで踏みとどまる強さをもつこと。そこから飛び出してはいけない。風景を見た後は、自分の足で引き返すこと。その、弱さも含めた強さを私は持っていきたいと思います。
落ち込む時もあり、すぐには立ち直れない時もあるでしょう。
そんな時、無理をして自分を苦しめるよりも、「落ち込むこともあっていい(しかたがない)」「前向きになれない時もある」のように考え、いずれ力が湧いてくるのを待てたらいいのかもしれません。
人生にも波があり、心にも波があります。ずっと沈みっぱなしということはないのです。やがて浮上する力やきっかけが訪れるはずです。
必ず浮上し、立ち直り、ふつうに生活できるときが来る。きっと幸せな時も来るのです。
そのことを信じて、じっと待てるようになれたらいいのではないでしょうか。
待つ間に大切なのは、一時の感情や悪い考えに流されないことだと思います。
どんなに悲しかったり、つらかったり、暗い気もちになったとしても、「今こういう気もちになるのはしかたがない」「この気もちもやがておさまる」と考える。
ふと思いついた悪いことをする考えに対しても、「今こんなふうに考えてしまうのも無理はない」「こんなことを考えてしまうのは心が乱れているからだ」と考える。
後悔するようなことをしないように注意することが大事でしょう。そういうことができるのも、自分の弱さを知っているからかもしれません。
落ち込みがひどくなると、強い悪感情や悪い考えに襲われることもあるでしょう。そういう心の風景を見ることも一つのいい経験だと思います。自分の心を強くするだけでなく、人にもやさしくなれるのではないでしょうか。