読書日記

  こわさを知る

 『人間としての成功』(松下幸之助)より、
 感謝の心をもつということと同時に、お互いに日に新たな、生き生きした暮らしをおくるうえで非常に大切だと思うのは、“こわさ”というものを感じながら日々を送るということです。

 なぜなら、お互い人間にとっては、何物かにこわさを感じて、それを恐れつつ、身を慎んでゆくことが大切なのであって、もし、そういうこわさというものが何もないならば、自分の思うようにふるまうことはできても、結局は、自分をダメにしてしまうことが少なくないからです。こわいもの知らず、ということほど危険なことはないといえるように思うからです。

 つまり、そのようにこわさを知って謙虚な態度をとりつつ前進へと努力をするというところから、人間としての真の力というものも養われてくるのだと思うのです。
 人間、傲慢になってはいけない、謙虚な心で身を慎んでゆくことが大切、ということではないでしょうか。
 傲慢になると、こわいもの知らずで危険なことをしたり、人のことを蔑ろにしたり、努力することを怠ったり、学ばなくなったり、悪の道に足を踏み入れたり、・・・。
 そうならないために、必要なのが“こわさ”なのかもしれません。

  『人間を動かす二つのてこは、恐怖と利益である』 ナポレオン

 『竜馬がゆく』(司馬遼太郎)の中で、竜馬は「一番こわいことは自分が自分に愛想をつかすこと」と言っています。
 「そんな自分にはなりたくない」という思い(プライド?)があるのではないかと思います。

 私は最近、「自分(の人生)がとても大切」に思えるようになり、危険なことや悪いことはしたくないと一層心がけるようになりました。
 私は「今は幸せ」だし、「これからも少しずつ幸せになっていける」と思っています。ですから、「自分(の人生)がとても大切」に思えるのだと思います。
 世の中には、一時の感情の爆発や出来心や安易な考えによって、自分の人生を棒に振ってしまう人がいます。
 そういう“こわさ”があるから、私は、そういうことがないように、できるだけ気をつけているのだと思います。

 その“こわさ”よりも私を動かしているのは、「幸せ」という“利益”です。
 謙虚に自分を育てる努力を続けることで、生涯進歩して(少しずつ幸せになって)いけたらいいな、と思っています。



   

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人間としての成功』松下幸之助

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