読書日記

  いまを尊く生きる

 『ほんとうの心の力』(中村天風)より、
 何事につけ、今日以降の人生に対する計画、つまり明日どうしよう、今後どうしようということを考えることは非常に必要ですけれど、もっともっと大切なことがあるんだよ。

 それは何だというと、たった今を正しく生きるにはどうすりゃいいだろうということ。これをたいていの人が忘れちゃいないか?

 現在ただいまをどう尊く生きるか、これをしょっちゅう考えることを自分の念頭から離しちゃ駄目だ。
 今後のことを考えるのは大事なことです。でもそのために、今を大切にできなくなってしまうのは、自分のためによくないでしょう。
 先のことを考えるのはほどほどにしたほうがいいでしょう。

 たとえば、自分の幸せや生き方について考えるのは、人生の節目の時期などによく考えればいいのでしょう。日常生活の中で考えるにしても、時折、短時間でいいのではないでしょうか。
 将来のことばかり考えたり、迷ったりしすぎて、今がおろそかになってしまうのは将来ためにもよくないでしょう。

 計画を立てるのは、せいぜい年に1・2回ですましたほうがいいことが多いでしょう。
 「(前日の夜)明日どうしよう」「(朝)今日どうしよう」と考えるのは、よほど特別な日以外は30分もかける必要はないのではないでしょうか。
 先のことを考える時間はできるだけ短くするように心がけたほうがいいでしょう。

 また、「将来のため」と今の生活を犠牲にしてしまうのもよくないと思います。
 「今」を大切にできるようになれれば、「将来」もその「今」を大切にできます。「今を大切にできるようになる」というのは「将来」のためでもあるのです。

 そのために、「今を大切にしよう」「今を愉しもう」「今はどうすればいいだろうか?」「今よりも少し幸せになれるように心がけてみよう」「今できることを考えてみよう」「“今は幸せ”と思えるようになろう」などと考えられるようになれたらいいのではないでしょうか。

 幸せになるためには、今を大切にできるようになることが大事です。
 私たちが生きられるのは今だけ、幸せを感じられるのは今だけ、なのですから。



   

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ほんとうの心の力』中村天風

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