しあわせ日記

7月2日(日) 出力を伴ってこそ学習

 『バカの壁』(養老孟司)より、
 「学習」というとどうしても、単に本を読むということのようなイメージがありますが、そうではない。出力を伴ってこそ学習になる。
 ところが、往々にして入力ばかりを意識して出力を忘れやすい。
 本を読む目的は、人それぞれにいろいろあるでしょう。
 単に「おもしろいから」でもいいのでしょう。同様に、興味深い、興奮する、感動する、元気・やる気・勇気などが湧く、触発される、心が落ちつく、ラクになれるなど、少しでも心にいい影響があったのなら読んだ価値はあったのだと思います。

 「知識を増やす」「教養を高める」というのも読書の目的の一つでしょう。
 だとしたら、読んだことを忘れてしまうのはもったいないのかもしれません。

 「何かに役立てたい」と本を読むのなら、実際に役立てなければ無駄になってしまいます。
 「自分を変えたい」からと読書をするのなら、読んだあとに何かしら(言動・考え方・生き方などを)変えることが大事なのではないでしょうか。
 「幸せになるため」に読書をするのなら、自分が幸せになるためのヒントを見つけ、幸せになるために活かすことができるといいでしょう。

 と言っても、読書を実際に役立てることはいつも必ずできることではないと思います。

  『本というものは、僅か数行でも役に立てば、
   それだけで十分ねうちのあるものだ』 津田左右吉

 読書を役立てるためには、自分なりのテーマをもって読み、また本の内容をヒントに自分でよく考えることが大事ではないかと思います。
 また、読書で学んだことを人に話したり、何かに書いたり、どこかに発表したりというような出力をするように心がけるといいと思います。
 入力ばかりで出力をしないのではもったいないのではないでしょうか。

  『学ぶのに、時間を費やしすぎるのは、怠惰である』 ベーコン

 幸せになるためのヒントは、読書以外にもいろいろあると思います。
 『我以外皆我師』と考える人もいます。
 私は「すべてのことはいい経験」と考えたいと思っています。

  『人生は一冊の書物に似ている。
   馬鹿者たちはそれはパラパラとめくっているが、
   賢い人間はそれを念入りに読む』 ジャン・パウル

 速読・多読にもそれなりの効果はあるとは思いますが、読書も人生も一つ一つを味わい、消化して自分の身につけていくことが大切なのではないでしょうか。
 身につけるということは、何度でも出力できるようになるということだと思います。



   

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