1月の人生相談 「告白するかしないか」

 私は自分を育てる1つの方法として、人生相談の問題についていろいろと考えることにしている。新聞の人生相談欄も読むし、テレビのみのもんたさんの番組もよく視る。
 このホームページでは、人生相談の問題に対する方法やヒントを提案している。この「今月の人生相談」では、1つのテーマを1ヶ月かけて考えていこうと思う。

第1回 問題提議と選択肢の提案
 第1回目として「告白するかしないか」を取り上げます。
「自分に好きな人、気になる人ができた。まだ相手の気持ちもはっきりわからないとき、どうしたらいいか」
 という問題です。

 私はいろいろ考えて、次の4つの選択肢について考えようと思う。
1.すぐに告白する
 とにかく相手に自分の気持ちを伝える。
2.今より少し関係が接近するように行動する
 たとえば、あいさつ→雑談→食事→..、グループ→1対1などのように。
3.とりあえず、今のままでいい
 その人に会えてドキドキする恋心を楽しむ。また告白のチャンスを待つ。
4.相手から遠ざかる
 この問題を終わりにする。他の幸せを大事にする。

 新聞や雑誌の人生相談でのほとんどの回答は、1.をすすめます。
   やってみなければわからない。あたってくだけろ。
   行動することに意義がある。きっといい経験になる。
   ふられたっていいじゃないか。その時は次の恋を探せばいい。
   とにかく早く答えを出すにはこの方法。
   告白されて(内心)うれしくない人はいない。
 などの理由です。

 あなたならどれを選択しますか?時と場合によりますか?もっといろいろな条件がわからないと何とも言えませんか?

第2回 選択肢の考察                 →[TOP]
 今月のテーマの「告白するかしないか」を見て、私には関係ないという既婚の方へ。
先日テレビで主婦へのインタビューを見た。「不倫したいですか?」には「はい」と答えた人は少なかった(10%くらい?)。しかし、「恋をしたいですか?」には「はい」と答えた人は多かった。人生相談にも既婚者から「好きな人ができた。どうしたらいいか」という相談がよく載っている。
 主婦に限ったことではない。「一生、恋をしていたい」という気持ちは誰にでもある。それをマスコミが煽って、新たな「症候群」を作りだそうとしているような気がする。
 ともあれ今回のテーマが、いつあなたもしくは身近な人の問題になってもおかしくない。また、問題解決の方法の勉強だと思って読んでみてください。

 前置きが長くなってしまいました。前回提案した選択肢は次の4つでした。
  1.すぐに告白する  2.今より少し関係が接近するように行動する
  3.とりあえず、今のままでいい  4.相手から遠ざかる

 「幸せになる選択」を参考に、この4つについて考察してみる。

[1]うまくいく可能性
 1.2.今までの相手の様子から推測する 3.100%
 4. 100%(自分がその通りできれば)

[2]選択することによるメリット
 1.結果が早く出る。
 2.相手の気持ちを今より知ることができる。
 3.今の関係をキープできる。将来の可能性やチャンスを残せる。
 4.悩みから解放される。(自分の感情をコントロールできれば)
 これらのメリットをもっとも大事にしたければ、結果にかかわらず選択できる。

[3]選択することのデメリット
 1.2.勇気と行動力がいる。断わられる可能性もあり、先行き不安。
   不幸にする人(相手または自分の、家族または恋人または友達)がいる。
 3.特になし。
 4.今の生活環境(職場、仲間など)を変える必要がある。
 このようなデメリットがありうる。もし自分が絶対に受け入れられないデメリットがあれば、その選択肢を候補から削除する。
 自分の受入られる能力が高くなれば、選択肢が広がります。多くの悩みはデメリットを恐れるために選択できないからです。

[4]うまくいった時
 1.相手と相思相愛になれる。
 2.相手の自分への好意のほどがわかる。今より仲良くなれる。
 3.ワクワクする気持ちを持ち続けて生活できる。将来の可能性も残っている。
 4.悩みから解放され、本来の自分の生活を楽しめる。
 うまくいった時のメリットの大きさに人は惹かれます。この大きさの順が本来選びたい順番です。デメリットを恐れるより自分の気持ちを大事にすることも大切です。

[5]悪い結果
 1.2.ふられる。相手の気持ちが自分ないことがわかる。
 3.特になし
 4.忘れられない、後悔など自分の感情をコントロールできない。
 絶対受け入れられない結果を持つ選択肢を削除する。悪い結果はおもに自分の感情の問題が大きいのです。でも、なるようになるし、自分を育てる材料にすることもできます。時がたてばいい思い出に変えることもできます。「その時はその時」という覚悟をすることが、選択の可能性を広げます。

 これらのことを総合して、決断するのもいい方法だと思います。迷うだけや同じ考えの繰り返しからは、いい決断はできず、苦しみのみが生まれます。悩んだときの1つの方法です。頻繁に使う方法ではないと思います。いい部分、自分に合う考え方だけを参考にしてください。紙に書いて(ラクガキでいい)やると、より効果があります。

第3回 どうしたら悩まずに選択できるか         →[TOP]
 人が悩むのは、1つの選択肢に決断できないときです。選択肢が1つしかなければ、それがつらいことでも悩まずに行なうしかありません。生活に自由度が増した現代社会のほうが、いろいろと悩むことが多いのかもしれません。
 選択できない理由として、2つのことがあります。1つは、その選択肢を「自分が実際にうまくできる自信がない」というものです。もう1つは、その選択によって生じる悪い結果を恐れることです。
 1月の問題に対する4つの選択について、これらの選択できない理由を考えてみたいと思います。選択肢は次の4つでした。
  1.すぐに告白する  2.今より少し関係が接近するように行動する
  3.とりあえず、今のままでいい  4.相手から遠ざかる

[1]「私にはできない」だから選べない
 次のような理由が考えられます。
 1.私には告白する勇気も行動力もない
 2.自分から相手に働きかけることはできない
   勇気がない、恥ずかしい、プライドが許さない、
   どうしたらいいかわからない、自信がない
 3.このままの状態を続けるなんて、もう我慢できない
 4.今の環境・仲間から離れることはできない
 これらの選べない理由を頭から絶対のものと考えないでください。どうしたらできるかをちゃんと考えてから結論を出してください。努力すれば必ずできると信じてみてください。自分を信じてあげてください。信じて努力を続ければ必ずできます。はじめからできないとあきらめたら、その時点でできなくなってしまうのです。
 できる可能性を信じて、できる方法を探し続ける姿勢を見につけましょう。そうすれば、悩まずに選択できることが多くなるでしょう。

[2]「悪い結果」が怖くて選べない
 次のような理由が考えられます。
 1.ふられるのは絶対にイヤだ。ふられたら立ち直れない。
 2.ハッキリと断わられたらイヤだ。相手の気持ちを知るのが怖い。
 3.このまま何もなく終わりたくない。
 4.さびしい、忘れられない
 悪い結果も長い目で考えてみれば受け入れられる場合が多い。特に自分の感情の問題だけなら、工夫と努力によりどうにかできる。自分を育てるいい機会と考える方法もある。悪い結果を受け入れられるようになれば、悩みは少なくなり、やりたいことができるようになります。

第4回 まとめ               →[TOP]
 さて、1月の人生相談「告白するかしないか」をいろいろと考えてきましたが、いかがでしたでしょうか。「なんか余計にわからなくなった」という方もいるかもしれません。もっとも、他人事として考えるのと、自分の深刻で具体的な問題として考えるのでは、ぜんぜん違うと思います。

 ここで、このページに届いたご意見を紹介させていただきます。岩井秀隆さんによる「告白についての考察」です。深い考察だと思います。また、実際に役立つ方法が書かれています。私へのメールの中でも「失恋でさえも一つの(人生の)華と考えることができる」と。私も同感です。

 私は昨年12月に友達とこの話題について話し合いました。その友達とは、94年に1年間カルチャーセンターで「セルフ・カウンセリング」という講座を受講したときにできた主婦3人です。今でも2・3ヶ月に1回集まり、いろいろな話をします。この話題でも様々な意見を交換しました。
 そして、一人の方は「私だったら絶対に告白する」と言いました。
  また、一人の方は「たぶん、そのままの関係でいい」と言いました。
   あと一人の方は、意見を明確にはしませんでした。
 やはり、いろいろな考え方をする人がいるのを実感しました。

 ここでは、詳細な状況については特にはふれませんでした。実際にはいろいろなことが考えられ、そのことによって選択にも影響があると思います。
 特に、このようなことです。
[1]自分と相手の今の関係
 今どの程度のつき合いをしているか。今告白するとどうなるかですが、友達から恋人に変わっていくのと、始めから恋人としてのつきあいを前提とするかは、一概にどっちがいいとも言えません。友達からは恋人になりずらいこともありえます。
[2]相手の気持ちの推察とその確度
 今までの相手とのつきあいの中で相手の自分に対する好意をはかるしかありません。まあ「実際に告白してみなければわからない」のですが・・・
[3]自分の状況
 自分が、既婚、子どもがいる、つきあっている人がいる、友達が同じ相手を好き、などの状況は大きな問題です。これらの状況での告白を許されぬものと考えるかどうかは本人に任せたいと思います。ただ、感情に流されてや、見て見ぬ振りのようなやり方は私は嫌いです。しっかりと考えた上で(1.〜4.の選択をし)、結果と自分の感情を受け入れてから行動した方がいいと思います。
[4]相手の状況
 相手が、既婚、子どもがいる、恋人がいる、など。[3]と同様です。
[5]告白の目的
 結婚を前提とするのか(公然とあるいは暗黙に)、どういうつきあい方をしたいのか、自分の気持ちをとにかく伝えたいのか、など。その目的によって告白のタイミングも変わると思います。
[6]解決の方針
 とにかく早く今の状況を変えたいのか、時間をかけてもいいか、自分の人生の中での価値、自分の他のもの(持っている幸せ、やりたいことなど)とどちらを優先するか、などの方針をはっきりすると、選択する道が絞れてくることが多い。

 これらの他にも様々な状況や判断材料があると思います。それらを迷う材料とするのではなく、判断の材料とするべきです。そのためには紙に書いて考えるなどの工夫も役立ちます。同じ事を繰り返し考えて悩んだり、悪い材料をただ恐れるだけでは、いつまでたっても苦しいだけです。

 いろいろなことが考えられ、いろいろな意見がありますが、結局は自分の価値観で選ぶしかありません。
 ここで紹介したのは、1つの事例と、それに対するいくつかの考え方の例です。あなたの問題に役立ちそうなときに、参考になる部分だけを使ってみてください。

追記                 →[TOP]
NEWS(1月31日記載)
 読売新聞・夕刊にホンネ伝言板というコーナーが月に1回あります。1月28日のテーマは「大人への一言」でした。「子供よりあいさつ下手」「優秀な学校がすべてじゃない」「マナーが悪すぎるゾ」「人の気持ちを無視するなんて・・」「痴漢撃退へ声かけて」の5つ。読みたい人で手元にない方は、地域の図書館ででもご覧になってはいかがでしょうか。次回2月25日のテーマは「告白」です。3月3日までにはここで紹介したいと考えています。乞うご期待。

ホンネ掲示板『告白』(3月3日記載) 2月25日・読売新聞夕刊
 テーマが「告白」ということだけなので、恋の告白以外の投稿があることは予想していた。5つの掲示内容のうち恋の告白に関するものは1つだけだった。
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見捨てないで合格させて」 2月25日が入試なんです!・女・高3
(志望大学に告白?)2年間あなただけを思い続けてきた私を、
          どうか最後まで見捨てないで下さい。
 その時の本人にとっては重大な告白。でもなんか幸せな話に思える。


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