「幸せについて」
その20 幸福感の価値

 幸せになるためには、幸福感を大切にすることが肝心です。
 「幸せを感じる」ことが、実際に「幸せになる」ことであり、生活の目標や生きる目的にもなるのですが、幸福感には他にも価値があります。

 一度幸せを感じられると、それはいい気分として残ります。気分がいいと、いろんな幸せにも気づきやすくなり、幸せになる考えもしやすくなり、幸せになる行動もしやすくなるのです。それだけ、次の幸せを感じやすくなるのです。
 朝、いいことがあってその日がいい気分で過ごせたという経験はありませんか? 反対に、朝、イヤなことがあって一日中不機嫌で過ごしてしまったことはありませんか? イヤなことがあっても、そのあとに幸せを感じることができれば、いい気分転換になるのです。
 幸せを感じることが、“くよくよ”“イライラ”の悪循環をストップし、次の幸せへのステップにもなりうるのです。

 私は、幸せを感じることは「心の栄養」になると考えています。
 心が疲れた時や心が傷ついた時には、幸せを感じることで回復力を高めることができるのです。
 悩みやつらいことがある時ほど、幸せを感じる時間を意図的にもったほうがいいのです。
 生活の中に多少つらいことがあっても、幸せなことが時々あれば、耐えていけると思うのです。

 いい感じがすると、脳内にいいホルモンが分泌され、体と心の健康にいいそうです。心身が元気だと、免疫力や自然治癒力も少しは高まるのでしょう。
 逆に、悩みやストレスから心の病気や体の病気になってしまう人もいます。
 2002年9月16日に115歳になられた、長寿世界一の本郷かまとさんの長寿の秘訣は「くよくよしない!」だそうです。
 心身の健康は幸せに暮らすためにはいちばん大切なものです。幸せを感じることは、心と体の健康によく、きっと長生きにもつながるのでしょう。

 幸せを感じることで、心が少しでも元気になれば、それが幸せに暮らすための力になります。
 幸せには大きな幸せも小さな幸せもあります。ところが頭で考える幸せの大きさと実際に感じられる幸福感の強さはけっこう違うものです。これは言葉では伝わらないと思いますが、私の実感です。
 小さな幸せと思えることでも、自分しだいで幸福感を確かに感じられ、十分に力になります。

 世の中には幸せを意識しないで生活している人もたくさんいます。幸せを求めている人でも、幸福感は重視していない人がいます。幸せそうな生活をしている人でも、実際には幸せを感じることがほとんどない人もいます。
 幸福感の価値を知り、実際に幸せを感じて生活することが、幸せになるためには重要だと思うのです。

   

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