発育と比較

 「子供の成長が遅れている」ことを悩んでしまうこともあると思います。
 身体の発育(身長/体重など)や機能・能力の発育(離乳/ハイハイ/歩く/言葉/トイレ使用など)が標準やまわりの子供より遅れていることを苦にしてしまい、子供につらくあたってしまったり、自分を責めたりしてしまいます。

 これらは、「比較」による不幸になる考え方をしてしまうからだと思います。
 「比較」自体はけして悪いとは思いません。注意信号として子育てに活かせばいいのだと思います。
 でも、比較によって「うちの子は遅れている」と悩み苦しんでしまうのは不幸になる考え方です。
 そういう考えをして悩ましくなったら、それに気づいて、不幸になる考え方をストップできればいいのです。そして、少しでもラクになれる考え方を心がけ、できれば育児(の工夫)を愉しんでやれたら、と思います。

 まずは、「比較して悩み苦しむのは不幸になる考え方(のクセ)」と自覚することです。
 「子供にはそれぞれに個性があって発育は違うもの」「でもそのうちにふつうになる」「大人になって、そんな(身体やその機能が子供のままの)人はいない」「子供が幼い頃の心配事はいずれはなつかしい話や笑い話になる」などと考えることで、ラクになれたらと思います。

 育児の各課題の具体的なテクニックや工夫は、他の本やHPや人から学んでいただけたらと思います。
 でも、「育児に決まった正解はない」とよく言われます。自分の子供の幸せを考え、自分なりの考えをもっていろいろと工夫してみればいいでしょう。それは、育児の愉しみにもなるのではないでしょうか。少し力を抜いて愉しむことができたら、と思います。

 「比較」は、ともすると、人のいい所と自分、自分の欠点と人を比べたりして、不幸になる考えをしやすい考え方です。
 また逆に、自分より恵まれていない人と比べて優越感を感じる考え方もあまりいいとは思えません。
 どうせ比較をするのなら、過去の子供(自分)と現在の子供(自分)を比べて、その進歩や成長を喜ぶのがいいと思います。

 親の比較する考え方(のクセ)は、子供にも受け継がれるようです。
 そのために、将来、子供が人と自分を比較したり、人の評価を気にしすぎて苦しむことになってしまうかもしれません。
 まず、親が比較による不幸になる考え方をやめるように心がけられたら、と思います。そのほうが親も悩まないですみます。「この子はこの子。それでいい」のです。
 「親が不幸だと、子供も不幸な気もちになる」「親が幸せでいることが、子供を幸せにする方法」ということを思い出していただけたら、と思います。



   

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