育児は自育のいい機会

 「親が(子供に)いい見本を見せる」などと、親にとってはけっこう実践が難しいことをここまで書いてきたと思っています。
 人にやさしくする、人の話をよく聞く、人の悪口を言わない、人と比較しない、素直に喜ぶ、希望をもって生きる、目標をもって努力する、人の役に立つことをする、・・・。
 親も未熟な人間であることは、よくわかっています。
 でも、「子育て」の中でなら難しいこともできるのではないか、とも思うのです。

 自分の子供が相手なら、子供の話をよく聞き、やさしく接することはできるでしょう。そしたら、それを他の人にも試すこともできるでしょう。
 人の悪口を言わない、人と比較しないなどは、ふだんならついしてしまうでしょうが、子供の将来を考えた上でなら、子供の前ではしないように心がけることができるのではないでしょうか。子供に「そういうことはしないほうがいいよ」とよく言っていれば、子供の前ではできなくなるでしょう。
 素直に喜ぶことは、子供といっしょのほうがうまくできるでしょう。
 夢や目標や希望をもって生きることが子供のいい見本になると考えれば、ひとりよりも実践しやすいでしょう。
 人の役に立つ喜びは、子供の喜ぶ姿を見れば実感できるでしょう。それを他の人に広げることも考えられるのではないでしょうか。
 「子供の(幸せの)ため」を考えれば、できることがけっこうあるのではないでしょうか。

 このようなことは、実際には自分の幸せのためになることです。
 子供に教えることで、いちばん勉強になるのは親です。
 「子育て」を「自育のいい機会」と考えれば、子育てに対する心の姿勢も変わるでしょうし、ひとりでやるよりも自分を育てることができるのではないかと思います。それは、自分の幸せにつながることです。

 また、子供がいない人は、ここに書いてある「子供」を「自分(の心)」と置き換えて読んでみることで、自分の心を育てるヒントを見つけていただけたら、と思います。



   

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