「やさしい人」になってほしい場合

 自分の子供にはどういう人に育ってほしいでしょうか?
 その答えは、人それぞれでいいと思います。また、答えは、一つでなくて、いくつかあって当然です。

 私なら、まず、「やさしい人/思いやりのある人」になってほしいと思うでしょう。
 ということで、ここでは、どうしたらやさしい人に子供を育てられるかを、少し考えてみることにします。(あとは、それぞれにご自分でお考えください)

 一つの方法は、「親がいい見本を見せる」ことだと思います。
 親本人が人にやさしくないのに、子供に「やさしくしろ」と言っても、説得力はないでしょう。
 親が子供にやさしくすることがなくては、いい見本にはなりません。親夫婦の間にやさしさや思いやりがないのも同様です。
 親が自分の親を大切にしていないのに、親孝行な子供に育ってほしいと願うのは、自分勝手と言わざるを得ません。

 もう一つの方法は、「実践経験を積ませる」ことだと思います。
 人にやさしくしたことがない人は、どうしたら人にやさしくできるかがわかりません。大人になって、人にやさしくしようと思っても、うまくできなかったり、意識しすぎて疲れてしまったりしてしまいます。
 子どもの頃からの実践経験を通して、自然に人にやさしくできるようになるのがいいと思います。
 そのためには、親が見本を見せ、子供にお願いしたりして実際にやってもらえばいいのです。

 そして、大事なことは、「人にやさしくすることの良さを実感させる」ことではないかと思います。
 そのためには、親子間でやさしくし合う、そして、感謝し合うことだと思います。そのことを通して、人にやさしく接することの心地良さ、人がやさしくしてくれた時のうれしさ、人が喜んでくれた時のよろこびのようなものを実感することが大切なのではないかと思うのです。
 人にやさしくすることの良さがわかっていれば、自然に人にやさしくできるのではないでしょうか。人から押しつけられてやったり、こうしなければいけないという義務感のようなものでやっても、うまくできないし、続かないと思うのです。

 ここでは、子供を「やさしい人」に育てることについて書きましたが、「いい見本を見せ」「実戦経験を積ませ」「その良さを実感させる」ことは、他の場合(たとえば、「学ぶことが好きな人」「何かに向かって努力を続けられる人」「物事を愉しめる人」「(いろんな意味で)強い人」など)でも同じように大切なのではないでしょうか。



   

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