読書日記

  人間の創造性

 『般若心経入門』(松原泰道)より、
 人間は、追いつめられると、何かを創造せずにはおりません。
 たとえば、生き方にも工夫して新生面を開きます。物が欠乏すれば頭を働かして何かを生み出します。精神的にも苦境に立たされると、そこに一つの「意味」を発見したり、すすんで「安らぎのこころ」を創造します。
 この創造性が人間の心の奥底に本来埋めこまれてあることを信じ、それにめざめ、さらに開発してゆくということです。この創造性のはたらきも、心経の「観自在菩薩」に象徴されています。
 人間は、苦痛を感じたり、不満に思ったり、困ったりすると、その原因を改善できるように創造の能力を働かせます。また、よりよい暮らし方やよりよい生き方を目指して創造性を発揮することもあります。
 そうした過去の多くの人たちによる創造のおかげで、今私たちは便利に快適に暮らすことができています。
 逆に、人間が本来もっている創造する能力をほとんど使わなくてもそれほど問題なく生活できるようになった、と言えるのかもしれません。

 能力は使えば維持でき、工夫しながら使えば向上し、使わなければ衰退していきます。
 問題に気づき、そのことをよく考え、改善する工夫と努力をしている人としていない人は、問題解決能力に差が出てくるでしょう。

 「自分には問題解決の能力がない」と思う人もいるでしょうが、誰にでも本来創造性はあるのです。
 自分にもそういう能力があると信じ、自分の問題に真剣に取り組むことで開発してゆけたらいいのでしょう。(能力や才能は磨くもの
 それによって、自分を育てることができ、それにつれて少しずつ幸せになっていけたらいいのではないでしょうか。



   

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