読書日記
自然に癒される
PHP9月号の特別企画は『「悲しみ」の乗り越え方』。
山折哲雄さん(宗教学者)は、
古来、日本人にとって死の悲しみというのは、自然の中を独りで歩くことをとおしてはじめて慰撫される「同行二人」の悲しみであったような気がする。
悲しみは人間によって癒されるのではない。自然によって癒されるのである。
大切な人との死別の悲しみで、部屋の中に閉じ籠もっていても、思いが募るばかりで、心は癒えないのではないでしょうか。
外に出て、自然の中を歩いてみるといいのかもしれません。
新鮮な空気を吸うだけでも少しは気分がよくなるでしょう。
太陽の陽射しを浴びれば、心の中も少し明るくなるのではないでしょうか。
花や草木の緑などに目を向けたり、鳥や虫の声や水の音などに耳を傾ければ、少しは心も癒されるような気がします。
歩くことで身体が少し元気になり、食欲も増すでしょう。
「同行二人」の相手(神様・仏様・弘法大師、亡くなった大切な人、自然など)と会話することも可能だと思います。
本当の癒しは、自分の人生を歩く中で自然に行われるのではないでしょうか。
はじめはつらくても、少しでも幸せな方に向かって一所懸命に歩いて行けば、自然に忘れることができるのだと思います。
そういう意味では、「自然が癒す」というのは「時間が癒す」と考えることもできそうです。
どんな不幸も時が癒してくれる、そう信じて自分の人生を前に向かって歩くことが大事なのではないでしょうか。